たんぽぽの妖精/
丘白月
まるで雲の種か
空を漂う魂のよう
飛んで行く綿毛
風にさらわれ
屋根を越え
森を越えて
空に溶ける
鳥が咥え舞い昇り
妖精が待つ遥か昔
懐かしい街へ帰っていく
地中海の白い風景に
小さな白い種が舞い降りる
黄色く花のような太陽が
拍手しているように眩しく
青い海は潮の香りを
白い石畳に敷き詰める
人も花もすべて永遠だと
誰も知らない
でも花を見て綺麗だと思う時
懐かしく切ない想いが
心の底に見え隠れしている
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