金魚の詩/
ミナト 螢
電球の中で金魚が泳ぐ
赤い身体をうつ伏せにして
バタ足、ピクピク、
僕の過去を三枚下ろしにする
哀しみばかりが長いから
切れそうな電球を回す
もう照らすものはないんじゃないの
金魚の目玉が酔って割れたら
チカチカ、ぶーぶー
僕の世界を水浸しにする
快速電車は同じ値段なのに
何故、早く辿り着けるのだろう
今まで我慢した涙を拭いて
屋台の金魚に混ぜて返そう
戻る
編
削
Point
(0)