沈黙/ミナト 螢
 
幾ばくもしない
吐息に問いかける
褒められたことが
なかったから
人の良い所に
気づけないのかな
僕の会話には
ジャンプが足りなくて
誰もその距離を知らずに終わる
もう少しだけ話をしたい時に
ナプキンで口を挟み
寂しさは窓を開けて
換気をしたら押し出して
空の模様に心を合わせた
沈黙の間を同じ瞳で
逃げて行くように掴まえる
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