力なきもの/
ミナト 螢
順番がついた日から
溜め息が深くなる
俯いた顔じゃ
こぼれ球さえ拾えず
一軍の場所に立てないよ
ポストに手紙を入れるくらいの
力で投げ返す気持ちが
優しさに出会えるまで
せめて空だけは
平等に晴れて泣いて
靴紐を解いてしまう
蝶々結びの約束の中で
夕陽が一輪車を引いていく
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