白紙のページを信じる/ホロウ・シカエルボク
 
息を整えてる
このまま起きてしまおうか、と
少しの間思案したが
そんなことをしてもなんの得もないだろう
真昼間に眠くなるだけのことだ
脱出計画は難航している
効果的な意見を吐く参謀がいない
思えばずっと
標識のない
指針のない
コンパスの壊れた時を生きてきた気がする
常に混沌と、困惑をしている方が
自分自身であり続けようとするものだ
そういうわけで会議は解散となった
やれやれ、と連中は散らばっていった
俺は寝返りを打った
枕が津波の真似をした
少し大きな車が通り過ぎた
音楽は鳴り止まない
心臓が動き続けているうちは

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