ネット詩とビート/藤原 実
 
消えてしまう
      彼らは芯を刺激する
      もし生きた光りが


      太陽のように自身で燃えるなら
      時代はそれぞれレンズとなり
      その円周を
      広げていく

        (新倉俊一訳)



ディキンスンはいまでいう「ひきこもり」みたいなひとだったらしい。そういう意味でもいまあらためて読まれてもいいのではないだろうか。

もし彼女がこの時代に生きていたら、ネット詩人として活動するだろうか。彼女は手紙を書くのは苦でなかったようだから、そんな感覚でそっと詩の掲示板に書き込みなどすることはあるかもしれない。
でも朗読会のマイクの前に立つことはけっしてないだろうと思われる。


わたしたちの時代のエミリ・ディキンスンがかならずどこかにいるはずである。朗読会の喧噪とは無縁のどこかに。


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