勿忘草の妖精/
丘白月
いつからだろう
勿忘草が庭に溢れて
目を閉じれば
目蓋に咲く
いつからだろう
冬と春のあいだに
優しい感謝が
よこたわる
忘れないで
忘れないよ
白い息が刺繍糸のように
青い空 白い雲
眩しい太陽
閉じた瞳に広がる海
二人で編んで手をつなぐ
いつからだろう
忘れな草を摘んでは
繰り返し 繰り返し
天の川に流して
宇宙の地図を広げて
君の家を探している
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