春の月夜/
丘白月
陽は西の国へ帰る
月が別れを惜しんで
黄昏に手を振る
静かな夜の夢が
凍ったように綺麗な
妖精の池に
浮かんでは消えて
遠い日の高い空を
二人で指さした
あの笑い声が
水面を揺らしてた
底から光の泡が生まれ
月へ伸びる
ひとすじの道となり
いくつもの新芽の産声が
森の妖精に抱かれて
月の女神に逢いにいく
あの光の道を飛んで
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