白い朝/ミナト 螢
 
目を覚ますと同時に
空気にふたつの穴を開ける
昨日の続きとはまた違う
宝物を見つけた気分で
世界を僕の顔に引き寄せる
例えようもないものほど 
簡単なマフラーで巻いて
たまに落ちて来る煩わしさを
元に戻して温めていく
感情が始まる前に
朝はとっくに着替えているから
白いモヤが取れて晴れ渡る
自分のためにあると思う光に
誰かの存在を重ねながら
朝は静かな寝息を引き取る
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