ライラック/丘白月
君は澄んだ目をしてる
さっきまで泣いていたと
逢う時はいつも言ってたね
生まれてから今日まで
辛いことばかりだったね
でも泣くたびに濾過されて
あの悲しい鼓動も
切れそうな息も
真っ直ぐに落ちていく
真っ白な濾紙を抜けて
もう何も残らない
澄んだ目を見ればわかるよ
僕は少しは力になれたのだろうか
あなたは笑って
うなずいてくれたね
僕はいつでも
これからもずっと
君の濾紙になるよ
永遠に受け止めるよ
ライラックの蕾が見える
僕らが出会った頃に咲いていたね
もう 一年が過ぎたんだね
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