出ていける/
Lucy
目の前に置かれたコップに
なみなみと注がれた透明な夜を
一息に飲みほせば
僕はもうすっかり自由になれる
高い窓の鉄格子の隙間をすり抜け
出ていける
幽かな光を放ちながら
雲の向こうへ隠れたままの
お月さまにだって
会いに行ける
埃舞う舗道に貼りついたまま
ぼくにぴったり寄り添って
片時も離れず歩いていた影が
お日様の光の下で囁いた
戻る
編
削
Point
(7)