夜のあいだは、日が昇るかもなんて考えちゃいけない/竜門勇気
 
汚れているものなんてわからなくていい
わかった瞬間に汚れ始めるんだ
濁っている場所が心地良いなんて思っちゃいけない
濁ってればそれでよくなっちまう

どこに行っても
なにをしてても
悲しい思いをし続けて
それでも明けない夜があるなんて
不公平でふざけた仕組みだ
そう思って星が出たり
月が行ったり来たりする空を見てる

一人でいる時間が好きなんだ
気楽な気分とか勤勉さを求められない時間が
ほしいわけじゃないんだ
そうじゃない
自分の濁りの中でしか心は落ち着かない
無限に続くものがない

何かが怖くて
何もかも忘れてしまう
そうやって土の中の自動車で
眠りこけていく

排ガスが清々しいが
夜のあいだは夜のままであらなきゃならない
明日が助かるかすかな気配
夜のあいだは一人でいたい
青の内側を疑っているだけで時間が過ぎていく
未明のあいだは一人でいるんだ
こわいものはこない
あたらしいものはみあたらない
夜のあいだは、日が昇るかもなんて考えちゃいけない
夜のあいだは、日が昇るかもなんて考えちゃいけない



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