まっしろなせかい/秋葉竹
背中の影が
みえないかなしみを染み込ませて
笑ったら
朝になった
そんな
ちいさな窓からは
めにはみえない明るさが
すんなりと射し込んで
失った色を思い出させた
どんな不思議も信じた色だった
お日さまは3分かん
がまんして生きてゆく弥生の
そらをとぶ
かなしみにのみこまれないために
いっそ
地を這う眩しいものに
なりたかった
そんな窓からは
時間の流れが
うっすらと笑いながら
空気が流れるように
まっしろになった
そんな
まっしろな
せかいになった
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