みっくすじゅーす/ミナト 螢
 
沈んだ果肉は今までの自分を
呼んだ声に気づいているのか
赤い窓から捨てた血を吸って
ストローの中でまたやり直せる
甘くてふざけたくなるのに
ドロドロとした液体で汚れた
唇を舐めて気を引きしめる
不揃いな苺が生き残るため
ミキサーの音は回り続ける
色や形に理想があるように
僕等はまだまだ途中を歩いて
値段がつくのを待っていた
自由と引き換えに
キーボードを叩く星に生まれても
手書きの方が味は濃いだろう
みっくすじゅーすの種類の数だけ
ゼロを並べる仕事は終わらない
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