起源の色を操ることもできる。/うわの空。
 



風、が
向こうの山から降りてきて
体を抜けて
そしてまたあっちに流れてく

風の粒、のなかに
きっかけは無かった

駅も、バス停もない
親だけが、年を取ってる気がしていた



子供部屋で
新譜を聴くんだよ

天井の電気から
下がった紐を引くんだよ



生きてる間に
山の形が変わるなんてこともない
そして血の薄くなったわたしを
先祖がみるのと同じように
血の薄くなった子孫をみるんだろう


墓にカーネーション
ふふふ、と
手を合わせてみる


遠くの山の雪が
渦巻いてるようにみえた




戻る   Point(12)