方向音痴/
ミナト 螢
飛び込める場所もないけど
誰かのホイッスルに反応して
パンにジャムはもう塗らないよ
変わっていく自分の心が
傘を広げるように弧を描くと
もう二度と会わない人になるけど
間違えたらそれでも良いんだ
長い時間を同じ羽根で飛んで
近づいた距離を無駄にするほど
僕等の顔は前を向いている
何を背負っていたんだろうね
少し軽くなった風が
耳たぶを落とすから
新しい音を拾うため
透明な指先が君を失くした
マーマレードの味を忘れていく
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