泡、あるいはテンペスト/大村 浩一
 
瓶の壁を
静かに登る泡
幾つも
幾つも
ためらいながら
少しずつ


飲むか、
と言うと
欲しい
と答える
グラスへ注いで
渡す
ありがとうと
小さな声


あなたが居て
私が居て
ここまでを繰り返した
ここで
掻き消されても
いまここに
ある


なにもない
青空
この夏を
凌ぐ事が出来たら


2020/3/15
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