ねごと/
ミナト 螢
夜を溶かす飴玉みたいに
透明な包み紙の中にいる
自分の声に気づけないから
きっとこの先に続く言葉が
枕を湿らせる夢を見ても
先頭を走ることは難しい
日常に解き放たれたように
たった一度の呟きで生まれた
ねごとが本当は口を閉ざして
鼻から風船を飛ばすような
僕の未来は着地できなかった
枕で顔を塞がれるほど
悪いことなんてしていないのに
君の名前が世界へ広がる
ウイルスに近い風邪を貰った
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