祈り/
ミナト 螢
明日は風よ吹かないで
彼方から灯火を探しに
来る人のために
どんな言葉が出口を迷うの
苦しくても辛くても
終わりがあれば少しは楽なんだ
続いていく哀しみと歩いて
途中で帰れなくなる道が怖い
もう誰とも離れたくはないのに
夜と朝の隙間で起きてしまう
無人の時間に捧げる祈りは
眠りを妨げないように息を積む
不安の木の下で助けを呼んだ
あの声が今も枯れることはなく
見つめた命を胸に案じて
花束みたいな両手を集める
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