there/ミナト 螢
 
光と影の色で編んだ
窓際のブランコに乗って
強くも弱くもない体を
運んでいくまで空は続いた
通り過ぎるたびに何かを捨てて
寄り掛かるたびに背中を見せた
ミントの風に吹かれて白くなる
頭の上に乗せた本みたいに
失くしたら買い直して読まずに
新しいカバーが増えてしまう
人に隠すほど悪いものじゃない
だから表紙はきっと笑っていて
ひとりだとしても怖くなかった
安全な場所を離れた足場は
じゅうたんのある世界に頼らない
飛び降りる時に膝を擦り剥いて
眼が赤々と充血しながらも
鎖の重さを心に繋いだ
そこが夢の1ページ目なんだろう
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