戯言050410/あおば
 
漬けの朝でも
ケータイ呼べば駆けつけて
ドアが開くのをじっと待つ

卒業したらお別れと
互いに感じてはいるけれど
もしかしたらとアッシー君
来年の桜の季節を夢みてる
お花見の人たちが
時間を忘れて
歩いてる
時間よ止まれと
思うのだ
桜の下の
渋滞する道路の上で
のろのろ運転するアッシー君は焦るけど
駅の電車は正確で
最上級生は冷静で
ここでいいから
ありがとう
ちょっと笑顔でドア開けて
あっという間にいなくなる
気がつけば
道路の向こうも満開の
薄い色した桜たち
満開のいつもの笑顔で待っている

桜のカーブはきつくないけど
坂道で
一時停車は出来ないのです
アッシー君はアクセル踏んで
もと来た道へぶっ飛ばす
一夜漬けの入社面接待っている
花の都の高層ビル群

四角四面のガラスの社屋





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初出 poenique 即興ゴルコンダ (2005/04/10)


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