旅の震源?/非在の虹
 
待ち続ける者にして、探し続ける者は、
悲鳴の中で飢えて、
目くるめく逆光の音韻の中で、
彼らのための晩餐を支度する。
彼ら。・・・彼らとは旅する者。と、旅に同伴する者。
気流のような骨と多様性の構造を持つ肉で生成された者
粗末で柔軟なテーブルの上の禍々しさを微笑みながら
撫でまわす。それは、闇に消える若い女。
そして、若干の若々しい男達
パンという名の単純な個体と
葡萄酒という結果としての液体を饗する。
泡立つのは、抑えきれぬ羨望に満ちた旅の日々だ。
何のために、何のために旅。
日課として体を洗うという、目的の無い行為
という底なし沼のような思想(又しても嘲笑だ)

[次のページ]
戻る   Point(1)