夏の幻/
ミナト 螢
窓が割れたら恋になるよ
日陰の屋根の下で心残り
破片が寝転びチクリと刺さる
君を待つ時間がとても長くて
小指に結んだ約束の糸を
強く引けば切れるのが怖かった
僕の方角に東はないから
君が先に沈んでいたとしても
振り回されてる自分が好きだ
君を待つ時間がまだ短くて
校庭のひまわりが時計のようで
過去も未来も手に入れるつもり
蝉の鳴き声が秒針に変わり
瞼を被せながら歩く道で
君が汗を掻かないのは
思い出の中だけだと分かった
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