冬 真昼 器/
木立 悟
掻き傷を集めた
水たまり
白に灰に銀に
ゆらめく
打ち寄せる
打ち寄せぬもの
縦の歪み どこまでも
高く 昇る 歪み
切っても切っても生えくるものを
いのちとは呼ばない
がさがさと透り
ふるえている
寄る辺なきものの上に 下に
涙と曇の楽譜をちぎり
冬を冬に
こぼしつづける
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