黄昏の接吻の走馬灯/viraj
人生はなんて豊かなんだろう。
昨日は、あんなにもいい日だった。
記憶を引きずることなく過去を全てしる者。
君が笑えば、私も笑う。
大いなる全体となった私は、
宝石を花の上に置いたら花色に染まるように、
ただ客体だけがそこに残り、客体と化した。
もう帰ろう。
切なさがあふれる六度のハーモニー。
君と身体を絡めあったあの夕日にてらされた部屋で。
百合の花と梅の花を私の葬式には添えてほしい。
それは、私があいした人の象徴であるから。
もう目の前まで来てるんだ!
春が!梅の花香る季節が!
漆黒の黎明は、光を告げるときである
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)