雨上がりの空に/こたきひろし
雨上がりの空から雲が一掃されて
青空があらわれて
お日様が顔を出しても
美しい七色の虹が橋のようにかかるなんて
事はなくなってしまったな
子供の頃は頻繁に虹を見たような記憶があるのに
雨上がって空が晴れ渡って
太陽が顔をあらわしても少しも暖かくならない
二月
真冬の寒気は冷たい風になってこの身を容赦なく責め立てる
屋外の作業はそこにいるだけで尋常じゃなく辛い
じっと立っていたらそのまま氷の柱になってしまいそうだ
何でもかまわない体を動かしていないといられないのだ
最低賃金を少し上回る時給
それでも六十五歳になってしまった私には働かせて貰えるだけであり
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)