嘘の世界/玉響
いつか
私が生命と呼ぶこの感覚は
私を離れてゆく
私の体は腐敗し
大事なものは消え去り
後に残るのは
生きていた時の思いだけだ
死は常に私の周りに潜伏しているが
毎日のリアリティからは
まだ少し 遠くに見えているようだ
私は崩壊寸前のこの世界に生きている
しかし 誰もこのことに気がつかない
我々を包囲している
「リアリティ」と言われる
美しい欺瞞に満ちたファンタジーの世界
誰もが素顔をひた隠し
洗練された仮面を着けている
でも その仮面を剥ぎ取った後の
あなたは、私は、一体誰なのか?
そんなファンタジーの世界に飲み込まれ
藻掻き苦しみながら
今日も見えない敵と闘っている
快楽を求め
私たちは世界をバラバラに切り裂くが
自分たちの内側を観ることはない
本当に心の奥底で
望んでいることは…何?
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