明日の行方/
ミナト 螢
叶わなかった人を呼ぶ名前に
瞼を腫らす涙が
膨らんだ蕾のような思いを
逆さまにしたままぶら下がってる
まつ毛の上の蜃気楼に
擦り抜けてしまう人の身体を
いつかは触れて覚えていたいよ
永遠という言葉よりも近い
明日は何をしても倒れずに
瞳に光を送り
まだ知らない歓びのために
瞬きの間で生まれ変わる
行方を訊いてくれる人がいたら
レジの中からお釣りを渡して
ゆっくりと話す言葉の先で
戦車が回るほど選んだ道に
一目で会いに行くのだろう
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