サイト荒らしと冬と春/第2の地球
は、同じなんだと思っていた。
寄り添っていたかった。
私も彼らもあいつもエゴイストだった。
冬が終わった。
あいつは唐突にいなくなった。
お別れもなかった。
そのサイトはまた元の賑わいを取り戻した。
そのサイトでは私は管理人に扇動家と呼ばれた。
多分一生アクセス禁止だと思う。
相当、憎まれている。
仕方ない。謝って許されるものではない。
犯罪行為を容認したのだから。
行かなくなって大分経つがいまだに
環境変数の出ない日本のプロクシを刺さないと
閲覧すらできない。
笑ってしまう。
そういえば
あいつの荒らし方は芸術的だった。
芸術家が行き着く先は天国か地獄かというと、地獄だ、という
そんな話を聞いたことがある。
ならば
芸術的なサイト荒らしが天国へ行き着くこともあるんじゃないかと
今、苦笑している。
元気ですか、桜ももう散る。
今日もごくろうさま。
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