熱の色/まーつん
赤は一番派手な色
身体の内をめぐる色
目立たぬように歩みを運んでも
一皮むけば飛び散る血潮
命の滾る熱の色
だから、
冷たい振りなどするな
表情を捨てた仮面を被るな
撫でれば悶え、叩けば泣いて
身体を丸めて喉を鳴らすか
牙を剥いて吠え猛る
そんな心を隠せはしない
火にかけられた水のように
意識はたやすく沸騰する
赤い血潮がその証
生まれながらに熱い奴
ヌルい春よりアツい夏
涼しい秋より凍る冬
極みの果てを知りたがる
懲りないやつらの寄せ集め
神も見放す健忘症と
仏も激怒する思い上がりの
醜く愛らしいでくの坊
そんな我ら
人間ども
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