深海/ミナト 螢
 
冷たい円柱を抱えている
これ以上は何を避けても
足を付く場所へ辿り着けずに
浮いたり沈んだりしながら
表面を撫でるシャボン玉が
割れてもまだ残る煌きを
誰かに見せるために傷付いた
寂しさは美しくなるから忘れないで
深さは溜め息になるから届けないで
僕の言葉に階段を作り
ゴムホースが伸びるように
巻いてもまだ残る長さで
心臓を貫くために生まれた
優しさは消えなくなるけど怒らないで
強さは独り言になるけど離れないで
僕の願いに休日を作る
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