アンダーカヴァー・オブザナイト/ホロウ・シカエルボク
れまでにも何度もあった、いつもはもう少し気をつけていたのに今日は少し長居をしてしまっている、いつの間に背中で繰り広げているゲームには興味を失っていた、あの若者は酔い過ぎていて集中力を欠いている、おまけにあいつの相手をしている細身の中年の男は、数年前に隣町で行われた割と大規模な大会で優勝のトロフィーを手にしたことがある、若者がそれを知っていたかどうかはわからない、それは知らないうちに始まっていたから、どちらが吹っ掛けてどちらが答えたのかなんてことはまったくの謎だった、といって、そこらのやつに聞いて回るほどの関心もなかった、だいたい俺はビリヤードそのものにたいして興味を持っていないのだ、若者は今度は本
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