窓/
いとう
覚えている
また別の頃の話。
当時同棲していた彼女は霊感が強くて
ときどき部屋の隅をじっと見つめたり
突然、「大丈夫よ」って
僕の手を握りしめたりしていたのだけど
ある夜
さっきあなたの隣りに髪の長い女の人がいて
あなたの話を熱心に聞いてたよ
そんなことを
サッキアナタノトナリニ
カミノナガイオンナノヒトガイテ
か細く
アナタノ
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