大阪環状線/にゃんしー
 
なさいといわんばかりに吹き飛ばしてしまう。

「感情線に触れていると幸せになれるの」

占いが趣味だという彼女は言った。
初めて僕の手を触れたとき。

それでも僕の感情線は
好きな人を
好きではないところへ吹き飛ばしてしまう。

恋を出来心へ。
愛を同情へ。
心を身体へ。

好きではないといわんばかりに吹き飛ばしてしまう。

「いつまでも一緒にいたい」

東京に帰るとき、彼女は言った。

いつでも大阪環状線は
大阪以外からやってきた人を
大阪の外に吹き飛ばしてしまう。

だから僕は大阪の外にいるとき
彼女の姿を探してしまう。
そこに吹き飛ばされ
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