どうせいつかは誰だって死ぬんだ/こたきひろし
 

それぞれ色々いたが

あいにく
俺に寄ってくる異性はいなかった
それどころか
俺は世界中の女から避けていかれたのだ

何と言う事だ
いったい俺の何がいけないんだ
わからない
理解できなかった

だからって
俺の男性機能に欠けるものない
生殖能力に問題があるとは思えない

俺は多くを悩み苦しんだ

俺は不本意ながら罠を仕掛ける事にした
手段は選べないし選らばない

俺は一匹の蜘蛛になって
糸を紡ぎ巣を張った

待った
じっと待ち続けた

無駄だった

蝶はおろか
虫一匹引っ掛からない

全ては徒労に終わってしまった

どうせいつかは誰だって死ぬんだ
だったら
死んだつもりで生きようとしたのにさ

死んだつもりで生きようとしたのにさ

俺だって自然界の一部なんだからさ

生殖も死も自然界の出来事なんだからさ


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