フラグメンツ カタログNo.1〜30/AB(なかほど)
1
そして今僕が見ているのは
雲から降ろされる光のはしご
指から零れ落ちる
2
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
3
魚屋の前ではきっと
夕焼けが足りないと
うつ向いてしまうのだろう
4
戻って来た理由も
どうでもいいのかもしれない僕も
ほんとにくさいと笑って食べた
5
世界の全てが優しさで包まれるように
花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる
ように
6
久しぶりに
想い出の瓶詰から取り出してみようか
齧りかけの林檎を描こうか
7
その辺に
赤い
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