廃棄物になりたくないのなら/ホロウ・シカエルボク
ない、手を付けたときからそのことは分かっていた、だけど始めはなにもかも朧気だったんだ…たったひとつを信じるために、その他のすべてのものを信じない方が良い、自分自身を守り続けたいならね、信じるに値するものなど本当はそんなにないんだ、余計なしがらみに縛られて居心地の悪い真実のなかで蹲るべきじゃない、その先は必ず行き止まりだよ、消化不良を起こして、自家中毒になって、ベッドの上でやせ細るのがオチさ、手を上げな、上げれば振り下ろすしかない―口先だけで生きようとするな、言葉は魂のためにある、それが分からないやつらのことなど相手にしなくていい、捨てておけばいい、こんなものに手を付けたなら、パーティーの相手なんか探すことは出来ないと覚悟しておくことだね―ストイックだって?そんなことないよ、そんな人生って結構楽しいものだぜ、いつだって自分が興味の中心なんだ、自分の中に竜巻を感じて、それを上手く逃がしてやるんだ、やめられなくなるぜ、そいつはいつだって上手く巻き上がってくれる、そうすると俺は、少しは気持ちよく眠ることが出来るのさ―夢の中身までは保証しないけどね…
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