その夜/
三月雨
ひれは重たく
ベタベタと揺れ
きらめく鱗は無数の眠りと
食事の数
水面のそばでぐるりと大きな丸を描き
頭から深く
やがてすべてが暗がりの中
残された波紋が
一、二、三、四、五、六、
七つ広がり後を追うように
まるであと七度繰り返すように
岸まで届かず沈黙する
けれども水底、誰も知らないその底で
失われてはいない
まだ死んではいないのだ
あと七度の悲劇のその後に
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