陽炎のような真実の重さを/ホロウ・シカエルボク
 
ないことだ、おれには初めからそれが判っていた、とはいえ、それを証明する手立てはなにひとつないけれど、もしかしたらおれがこうして並べるものすべてに、その理解の片鱗は現れているかもしれない、おれはそのことにあまり興味はないから、自分でそれを探してみようとは思わない、決定は決定ではない、でもそれは確かに感知されている、大事なのはそこにピリオドを打たないことだ、次に何かを書き足せるように、あるいはそこから軌道を修正できるように、そこでお終いにしないことなのだ、おれが羅列を繰り返すとき、そこには出来るだけ真実を模倣しようとする試みがある、もちろんそれとてこのおれの推測に過ぎないのだけれど、少なくともそうした
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