ナマズの底には/竜門勇気
一人の幅の中にはない
あなたのいる場所なんて
誰にも手の中になんかもってないから
あなたなんて誰も認識なんかしてない
それが一人ぼっちなんていうなら
誰だってそうだろ?
覚めそうな夢の中でふわふわと
繰り返してる覚醒の話なら
じゃあ、なんなら聞き飽きてる
一人のいる場所なんて
あなたが感じてる孤独すら
誰もが手にしてるうわの空
あなたの手の中にある不自由は
それが一人ぼっちなんていうなら
誰がそうじゃなくていれるのか
私が違っていて
部屋に戻って想像上の隣人と
術のない気持ちをわかちあう
わたしは
そんな諦めと
やりあうほど屈強じゃない
わたしの
一人は
そんなによく出来た
壊れた仕組みではなかった
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