部屋の中/消しゴム
 

  とてもとても「ひとり」なのを、感じてしまう夜。

  いつもは居心地のいい部屋が、ずかずかと土足で入ってきた

  「孤独」に支配されて。

  はっと、息が詰まってしまう。

  そんな夜、私はひとに会ったら、逆に、もっとだめになる、

  孤独に、埋もれてしまうのを知っている。

  
  ひとりで、耐える。
  ひたすら、何をするわけでもなく、耐える。
  じっと、じっと。

  それでも落ち着かないので、布団に包まって、

  CDをかけてみる。

  いつもならうきうきするようなメロディも、

  心にグッと来る言葉も、ただすり抜けて
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