古街灯/ヤギ
有相無相に蹴っ飛ばされて
ひっくり返った夜の街
見上げる視界は新鮮で
意外と綺麗な古街灯
浮かれて呷った毒薬(どくぐすり)
選んだオレの生き方だろと
冷めた顔していい気に嘔吐
嘔吐に酔ってる自分に嘔吐
更に酔ってる自分に嘔吐
もうなんだか分からねぇ
胃液か涙か分からねぇ
「若ぇクセにしっかりしろっ」
今日の初声テメエだジジイ
寒ぃ 震える 吐き気が酷ぇ
もう胃液もでねぇ
涙しかでねぇ
貧乏で馬鹿が八つ当たる
嫌いな馬鹿と同じじゃねぇの
酔っ払いの「畜生」が
こういう意味とははじめて知った
錆びて汚れた街灯の
なんてきれいなことだろう
星ひとつない星空の
なんてきれいなことだろう
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