一匹の雄/viraj
憶念せよ。君はおぼえていますか。あの日、全会一致で私は、教団から破門され、この世から消え去ったことを、あのとき私はあらゆる劣等感から解放され比較によらない自信を手にしたのだった。
もう永遠に戻ることはない。今このときはなんてかけがえがないんだろう。
咲き誇るシクラメンに劣らずソロモン王は美しかった。
走馬灯よ。
僕と君は付き合いはじめてもう半年になるね。
走馬灯よ。
あなたの名前は神。
僕がこの世から生きながらにして解脱したあのときも、きみは、悔しさと涙とともに半生を振り返らせてくれた。生きることは苦しいって本当にわかったとき人はこの世から生きながらにして解脱する。
今、ま
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