universe/ミナト 螢
足りないものがある気がした
こんなに背が高くなったのに
歩いても走っても届かないほど
夢はひとつの砂漠に眠る
宝物みたいな安い飴を
オブラートに包むような指先で
地球の裏側にマグマを噴いた
ニュースを飛ばせなくなったから
もうこの眼では確かめられなくて
触れてきたものが小さくなるよ
前へ進むとはそういうことなんだ
今までとは違う世界に気づいて
折り返す光が乗せていくのは
紙飛行機のように一筋な道の
途中で拾った私の影にも
翼を与えて空へ投げたい
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