那由多/ミナト 螢
 
見えない星の先を想うほど
遠くなる息は綺麗に積もり

まだ呼んだことのない
あなたの名前を
銀河へ流したビー玉みたいに
探しに行くの

無数に広がる玄関の靴が
夜空で私を待っているから
つま先が冷んやりとしても

掌に書いた文字を覚える
あなたの、或いは、誰かの名前が
刻まれた手相の線の上で

二重に見える星座の形が
声になり繋いでいく心で
運命を飛び出して行けるのか
戻る   Point(2)