ピンク/ミナト 螢
僕達の耳は離れていても
ハートの片割れを探している
だから髪の毛で隠さないでね
風に震える柔らかいカーブを
何周すれば君に辿り着くの
脇目も触れず歩いてきた道に
ピンクの朝焼けが広がるから
その上を飛べるような気がした
まだ弱い光でも
薄い氷が解けていくのなら
ふたりで耳をつけていよう
世界が始まるまでは
息も届かない部屋があるほど
冷たくて熱い耳たぶの重さ
この隙間を溢れる体温で
一緒に愛した時間の全てが
蓋を開けて音を分けると
同じ朝焼けを乗せて輝いた
貝殻みたいに壊れたくはない
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