幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して。/ホロウ・シカエルボク
ではない、そうさ、俺はずっとそう考えながら生きている、肉体のことなど放っておけばいい、心が乱れなければ、身体は自然に正しい方を向くように出来ている…「健全な肉体に健全な精神が宿る」ってよく言うだろ―あれは嘘だよ、健全な精神が健全な肉体を作るんだ、それが正解さ―ああ、もちろん、いまさらことわる必要もないかもしれないけれど、俺が口にしている健全っていうのは、世間一般の言う健全とはまるで違う意味だというのは理解しておいて欲しい…ではなにをもって健全というのかって?それはこれを読めば最後にはおのずとわかるようになっているはずさ―多分ね―いや、俺自身、自分がなにを書いているのかなんてろくに理解しちゃいないん
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