年末の詩/ミナト 螢
 
丸くて赤いクリスマスの飾り
掃除機で吸い込もうとした

それでもなくならなかった
休日や祝日の分だけ
飛行機やホテルのように
予約するものがない

果物も野菜も交換してきて
夜が長くなるのを耐えるほど

私と同じく黒い画面から
目を開けたいま携帯電話の
履歴を辿り通話を始めると

思い出したの
カレンダーをひとつ用意しなくちゃ

箱の中に書く予定がなくても
ゴンドラみたいに景色を見ていく
いつもの窓を綺麗に磨いた
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