(だから、あなたに会うたび、ラプソディを打ち鳴らすよう)/ホロウ・シカエルボク
 

イルーガルな魔法に手を染めて粘度の高い夜の海に漂っている―眼球の裏にはバッタが棲みついて視神経を齧るたびに貫くような痛みが走る、きみに送った手紙にはたいしたことは書けなかった、それは意地と言えば意地のようなものだったかもしれない…夢は徹底的に加工されている、印象的には違いないが不自然さが鼻につく、忌々しいがそれを撤去する手段はない―おれは捨てられたコンビニの袋のように横たわっているだけだ、どんな横槍にも抗うことはなく…夢は徹底的に加工されている、それは印象的だが根本的な要因ではない、それはべつのところにある、べつのところに…ナナ・ムスクーリが歌うアマポーラが聞こえる、それはこんなところに居るお
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