esper/ミナト 螢
風の一秒に止まる唇が
時の壁を破るまで透き通り
どんなものでも心が見えるほど
近づきたくなると信じてる
空と海に青が流れたのは
互いの袖を結んでいるから
似たような愛で引っ張り合った
僕達の腕が街の色になり
巻きつけたトレンチコートは
砂漠の中の旅人みたいだ
人よりも少し声が聞こえて
行きたい場所へ辿り着けなくても
君は責めないで僕を許すの
何よりも少し言葉が尖って
下ろしたい胸に程遠くても
僕は負けないで君を連れてく
風の五秒に止まる唇が
初めて柔らかい音を乗せた
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